Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖 11 (11) (ヤングマガジンコミックス)
『Y十M』は、山田風太郎の名作『
柳生忍法帖』のコミック化作品で、これ以前に作者のせがわまさきは『
甲賀忍法帖』も『
バジリスク』というタイトルで作品化しているのでご存じの方も多いかと思います。
長らく連載されていましたが、ようやく完結し、単行本もこの11巻でお終いになったので、ご紹介します。
せがわまさきの姿勢として、原作に極めて忠実、ということが上げられ、この『Y十M』でも風太郎の原作をほぼそのままなぞっています。当然、コミック化に伴って、いくつかアレンジも加えられていますが、ひじょうによく考えた末の変更であって、原作ファンにも納得の行くところ。
彼自身、風太郎の熱狂的なファンであり、最初から柳生十兵衛という男を描きたかったそうですが、それだけに実に十兵衛様は格好良く描かれています。
原作の十兵衛も、これを読んで十兵衛に惚れない女子は居ない、と言われるぐらい格好いいのですが、それをさらに上回る程です。
実は、この『柳生忍法帖』という作品は問題なく面白いのですが、どうも風太郎は後半の細かいところまで詰めないで描き始めたらしく、特に鶴が城に十兵衛が囚われてからの場面はご都合主義的。しかしながら、せがわまさきはそのご都合主義的な処もキッチリと筋を追っていて、逆にほほえましく思えます。
この次も、どうやら十兵衛ものを書く予定らしく(連載していたヤンマガの最終回のあおりはそう言う意味に受け取った)、そうなるといよいよ『
魔界転生』ということなのでしょうが、私としてはせがわの独特な色気たっぷりの絵で『
くノ一忍法帖』を書いて欲しいな、と思っています。
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